東京生活


高校3年の夏に初めて岐阜の外へ行った先は文化も生活も何もかも違う世界、メキシコだった。

財布を盗まれるんじゃないかと財布を手に力強く持って公衆電話から日本に電話した。
100ペソ、約千円のテレカは5分で無くなる。


あまりもう覚えていないけど、5ヶ月後、私はメキシコ人の渦の中にいた。
話せない気持ちを活気づけてくれたのはメキシコ人への恋。

いつのまにか一年は過ぎ、日本へ帰国。
スペイン語に火のついた私は大学へ。

勉強したい気持ちが強くなるとまたメキシコ行きを決め、スペイン語力に文化知識を深める。

二度目は故郷に帰るようなものだった。
そこにいる自分が心からそのイバショに満足していた。
なのに日本に戻ってから私はその居心地の良い場所を手放した。

日本人である以上日本に住めなくなると不安になってしまったから。

西の都、京都から東の都、東京へ。

世界が言う東京とはいかなるものか。
この体で感じたかった。



今、その東京生活が終わろうとしている。

東京は最高に刺激的だった。
人、モノ、情報、時間、すべてが刺激的だった。

終わるべきじゃないかもしれない。でも、今出よう。
私はやることを見つけた。




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