ギンナン


トン、トン、トン...

バキッ!

「いてッ」

母親が手をトンカチで打った。

台所はぎんなんのくっさーい匂い。

大量にあるギンナンと母親が格闘していた。

あまりに大量で見て見ぬ振りをしたかったのに、あまりに母親が何回もトンカチで手を打つから、見かねて参戦。

でもトンカチ下手なんで殻からギンナン取る役に。

それが殻がかたいのなんのって。

30分で嫌になっちゃったもんね。

そんな所へ父親参上。

しめたーーー。

「お父さん何かやる事あるの?」
「ん?」
「ギンナンあるよ。食べや。ついでにお母さんトンカチ下手やからお父さんやって。」
「なんや〜何に使うやこんなに〜。」

ちょっとしぶしぶな父親をギンナンでつり、3人でちゃっちゃと終わらせてしまいたい私。

トンカチ持って来て父親参戦。


バキッ!

ギンナンつぶしてしまう父親...

30分もたたずに嫌になる父親...

やっぱ親子だね。

「このギンナンはいただいたやつだから1月の大般若(春の行事)にギンナンご飯を炊いて出すんだよ。いただいたものはみなさんに食べてもらわないとね。」

母親ってすごい。




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