旅話2:トナラ焼き



民芸品のパワーで溢れんばかりの活気を魅せるトナラの村で、ひと際ひっそりとした小さなお店。
他のお店よりも規模は小さい。

店番は1人のセニョーラっぽいけど、他にも友達が2人いる。
聞き耳たててれば、彼の彼女がどうとか、こうとか。
告白にいくだの、他の男がどうだの。

「あの〜これ、もっと見させてもらえますか?」

ひょんに現れた日本人は、井戸端会議中のセニョーラにはとても面倒のよう。

「そこの勝手に見ていいわよ。」

それだけ。
売る気はあるのでしょうか。

「これ、もっと欲しいんだけど、ある?」

「はぁ。なんなの?!多分上にあるわよ。」

ぶっきらぼうに扱われる日本人。
いっこうに席を立たずに口だけはペラペラ動いているセニョーラ。

少々腹が立った私は、店を出る。
しかし、一回りしても同じようなお店がなく、しかたなくもう一度あの店へ。

変わらぬ状況に、
(どんだけ油売ってんねん。仕事しろやー。)

と、心は思いながらももう衝動には勝てれず、ちょっと田舎っぽいダサ可愛い陶器を買いあさる。これでもかというくらい、品定めをし、セニョーラを机から叩き起こし、他の同じのを持ってこさせる。

このトナラ焼きは現地ではあまり人気がなく、メキシコ人から見ると、田舎っぽくて新鮮さはないよう。だから、お店も小さくて、他にもお店がなかったのだと後で納得。

それでも、メキシコらしい太陽の絵柄や可愛らしい絵のタッチは、とても温かみがあり、分厚くもバランスのとれた陶器は使い勝手のある存在感である。

コメント

  1. ゆっきー!久しぶり◎たのしそうにやってるね♪

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  2. ringoさん>
    ありがとー!りんごちゃんも楽しそうねー♫ 頑張ろう!

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